セットアップ
会いたい人のカード … ♣️2
引いた枚数 … 35
ジャーナリング
再会は35年後。
あの人は何も変わっていなかった。
出会ったきっかけ。
あの人は2才の私を施設から引き取ったらしい。
私はあの人と血の繋がった親子だと思っていた。
あの人が片親である理由は、私が覚えていないほど幼い頃に別れたのだと聞いていた。
別れたきっかけ。
17才になったとき、私は自分が本当の子どもでないことを知った。
あの人から聞いたわけではない。
部屋の片隅のチェストの奥に、大切に仕舞われていた書類。それには私を引き取る旨とあの人のサインがあった。きっといつか私に真実を話すために置いてあったのだろうと、今ではわかる。
何も聞けないまま、大学進学と同時に家を出て、そのまま少しずつ疎遠になっていった。
時々連絡は来たけれど、あまり返すことはなかった。なんとなく、返事をすることができなくなっていった。
再会のきっかけ。
50を過ぎた私には妻も子どももいる。子どもからそろそろ家を出ようか考えていると聞いて、かつての私を思い出し、あの人のことを思い出した。
家から遠く離れていることを理由に、あの人に一度も子どもを会わせたことがない。
妻は早くに両親をなくし、子どもにとって祖父母にあたるのはあの人しかおらず、なのに私があの人の話をすることもなかったため、子どもは自分に祖父母はいないと思っていたようだ。
会ってみたいか問うと、子どもは頷いた。
再会して。
あの人は何も変わっていなかった。
私の記憶の中にあるまま、穏やかな笑みで私たち家族を向かえてくれた。
別れの時間が近づいた頃、あの人は少しだけ涙を流した。
私も少しだけ泣いた。
けれど最後に、私たちを見送った時の顔は、やはり穏やかな笑みだった。
もう一度あなたに会いたい
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