The Wandering Libraryについて
あちこち放浪する図書館の司書となり、毎日の出来事を記録するソロジャーナルです。
必要なものは、ルールのPDF、サイコロ(6面ダイス)2個、記録するものです。
遊び方は非常にシンプルです。まず、2d6を振って、出目を指定の表に照らし合わせ、どのような出来事があったかを決定します。その後、その出来事に対して、どのようにリアクションしたかを書き記します。
2024年2月時点では未訳です。しかしあまり難しくない※英語で書かれているので、辞書や翻訳ツールを使えば、十分遊ぶことができると思います。
※個人的な見解です。人によってはそう感じないかもしれません。
配布ページ: https://hey-its-ap.itch.io/the-wandering-library (2024年2月時点では無料)
●記録者と図書館について
プレイヤーが遊ぶにあたり決めた設定です。
・この世界について
魔法と科学が共存する西洋風の世界。現実の現代に近い文明。
・あなたは誰?
名前:アルケーオ・ピオニロ
がっしりした体格の50代男性。朗らかで人当たりの良いおじさん。
以前は自動車の整備士をしていたが、数年前から「さすらい図書館」の司書をやっている。本や司書の仕事についてはまだまだ勉強中。
・図書館の見た目と移動方法
形状は移動図書館の車。移動も見た目の通り、普通に走る。
・なぜ「さすらい図書館」の司書になった?
この図書館は、もともとある魔法使いのものだった。しかし仕事上の都合により、図書館の管理が難しくなったという。
そこで彼は、私物の車の整備を担当していたアルケーオに目をつけ、図書館を託した。彼を選んだ理由は「性格が気に入ったから」らしい。
・図書館の様子
移動図書館の内部は、魔法で見た目より広いスペースが広がっている。列をなして立ち並ぶ54の書架には、古今東西ありとあらゆる様々な本が収められている。
・司書のお気に入りの分野
図鑑。特に植物図鑑が好き。整備士だった頃、仕事中に依頼者の庭で草木を眺めるのが好きだったため。
●今回のプレイログ
1回目
場所:[6] 古代都市の遺跡群に隣接した新しい村
出来事:[1,4] 本の間に珍しい花の押し花を見つけた。あなたはそれを保存する?
リアクション:
文学の棚を整理してたら、北の国の名作文学全集の2巻に押し花が挟まってたぞ。ちと色あせてはいるが、優しい、薄い水色をしてる。先っちょが丸まった雫みてえな花びらだ。それが5枚集まって、さながら絵本に出てくるお星さん、ってとこだな。 図鑑で調べてみたら、北のリムネラって国の、高い山にしか生えてない珍しい花らしい。おいおい、誰だか知らねえが、そんな滅多にとれない花、本に挟んで忘れちまったのかい? せっかくだ、しおりにでもして、俺が持っておこう。
2回目
場所:そのまま
出来事:[4,3] あなたは鮮明な夢から目覚めた。それには意味があった?
リアクション:
夢にヌアジェ――この図書館の元の持ち主だ――が出てきた。ヌアジェはでっかい真ん丸の鍋をかき混ぜながら、呪文を唱えていた。カナブンが飛び回るみてえな音の呪文だったな。
鍋の中身は、最初はどぎつい緑のドロドロだったが、だんだんと色が薄くなって、最後には宝石のオパールみたいにキラキラの液体になった。それを見てヌアジェは言ったんだ。「これはよく効くぞ」ってな。
そこで起きたんだよ。んで枕元に、キラキラの液体が詰まった小瓶と、カードが置いてあった。カードには「魔除けの魔法薬を作った。人間にも物にも使えるから、必要に応じて使ってくれ。有効期間:6か月。ヌアジェより」って書いてあった。
ヌアジェはたまに便利アイテムを送ってくれるんだ。しかし作ってる最中を夢で見るなんて初めてだったな。
ま、今回もありがたくもらっておくとするかね。
3回目
場所:そのまま
出来事:[2,1] 禁じられた書物の貸出を求められた。あなたはそれを持っている?
リアクション:
フードを目深にかぶった男がやってきた。ローブに見たことのない紋様が書いてある。いかにも怪しい。そいつは科学の棚のあたりをうろうろしていたが、しばらくして俺に話しかけてきた。
「すみません、『ジーウ村の治水技術』という本はありませんか?」
見た目に反して、そいつの声は穏やかで感じが良かった。ちょっと気が緩んだ俺は、調べるからちょっと待っててくれ、と、愛想良く答えた。
バックヤードに戻って、蔵書検索マシンにタイトルを打ち込んで……俺は息を飲んだ。なんだコレ、禁書じゃねえか! しかも禁書書架にある。
もうちっと詳しいことを知りたくなったから、ヌアジェが残した備考を読む。いかにも一般的な本です~みたいなタイトルだが、内容はナントカって邪神(見てもわからなかったぜ)の召喚魔法とか、邪神に捧げる生贄の処理とか、いかにも外道な儀式の方法が書いてあるらしい。
顔すら見せない奴にこれを貸すのは、さすがにまずそうだ。というわけで、俺はローブの男に謝った。残念だがウチの図書館にはない、ってな。そいつは唇を引き結んで押し黙ったが……「お手数をおかけしました。ありがとうございました」って朗らかに言って出ていった。
禁じられた知識を求める輩がいるなんてなぁ。古代都市の遺跡が近くにあるのも関係してんのかね?
4日目
場所:そのまま
出来事:[3,2] 本を一山、寄贈してくれた人がいた。1d6を振って何冊か決めよう。
→3冊
リアクション:
村で食堂をやっている中年夫婦が、本を3冊寄贈してくれた。聞けば、古代都市で食べられていた料理の研究もしてるらしく、そのレシピ本なんだそうだ。フォーバンっつうピタパンみてえな主食の本に、古代から食べられてる野菜の料理本、それと、果物と麦を使ったおやつの本。この3冊だ。中身をぱらぱらーっと見たが、どれも写真や図がたくさん載ってて、作り方がわかりやすい。
いいねえ、これならいろんな人が興味を持ってくれるだろうよ、って言ったら、2人とも嬉しそうに笑った。
この図書館の世界もまた広がったよ。ありがとうな。
5日目
場所:そのまま
出来事:[1,3] 激しい嵐で図書館に被害が出る。修理のために時間を取ろう。
リアクション:
タイヤがパンクしちまった。悪路を走ってるわけでもねえから、不思議に思ってたんだが、村の人に話を聞いたらワケがわかった。どうも昨晩の嵐のせいらしい。昨日のは普通の嵐じゃなくて、魔力を帯びた風が混じった嵐だったんだとよ。その風は近くの遺跡を通ると、古代人の亡霊を呼び覚ます。んで、そいつらは風に乗って村にやってきて、外に置いてあるものにちょっかいをかけるらしい。そういうわけで、俺の図書館もいたずらされた、ってわけだ。
ちなみに、村にも被害があったらしい。庭に植えてた花が全部掘り起こされてたり、公園のブランコが動かないように固定されてたり、畑のニンジンが全部一口かじられてたり、なんてこともあったんだと。まったく、いたずらにしてはタチが悪いんじゃねえかあ?
そういうわけだ、今日は図書館は休業日。タイヤの交換をすることにした。村の人たちも手伝ってくれて、ありがたいこった。
6日目
場所:[2] 寄せ集まった農地に囲まれた、趣のある、丘の上の村
出来事:[1,1] ぼろぼろになった本を返しに来た人がいた。あなたはどう反応する?
リアクション:
車も直ったことだし、今日は丘の上の村に来たぞ。畑に囲まれてて、のどかな雰囲気だ。運転席の窓から入ってくる太陽の光とそよ風が気持ちいいぜ。
今回は、村の中央にある役所の近くで営業してる。それなりに人通りのある場所だから、客足が途切れない程度には盛況だ。買い物帰りの親子に、散歩中のお年寄り。なんとなく、みんな素朴で大らかな性格みたいに感じた。
受付で棚に戻す本の整理をしてたら、声をかけられた。ひげ面の大男だ。厚着をしていて、でっかいリュックをしょっている。手には、ぼろぼろの本が1冊。男は背を丸めて、それを俺に差し出した。
「あのう、これ、返却するっす……」
男の声は弱々しく、消え入りそうだった。なんだ、見た目でちょっとビビって損したぜ。それにしても、いかにも「申し訳ない」オーラがビンビンだ。何か事情があるんだろうと思って、俺は男に聞いてみた。俺の聞き方がまずかったのか(別に威圧してねえぞ?)、男はさらに縮こまった。が、小さい声で話してくれた。
「俺、登山が趣味なんす。山のてっぺんで周りの景色を見たり、天気が良かったら、ゆっくり読書したりするのが好きなんす。この前も、南のファイフォー山に行ってその本読もうって、持っていったんすよ。んで、てっぺんで本を開いたら……骨みたいに全身白い、でっかい鹿みたいな生き物が4匹出てきて、俺を角で突き刺そうとしてきたんす! 俺、必死で逃げたんすけど、途中で本を落としちゃって……そしたら、鹿は俺じゃなくて本に狙いを定めて、踏んだり、頭突きをしたりして攻撃したんすよ。それで、俺は無事だったんすけど、本はこんなんなっちゃって……」
ずいぶん大変な思いをしたようだ。俺は、あんたが無事でよかった、本をちゃんと回収してくれてありがとな、と言った。それを聞いて、男はほっとしたようだ。返却手続きをした後、笑顔で帰っていったよ。
それにしても、おっかない生き物がいるもんだなぁ。本を狙う鹿なんて、ここに来たら俺なんかひとたまりもないだろうよ。くわばらくわばら。
7日目
場所:そのまま
出来事:[3,3] 時間を取って、図書館の本を整頓しよう。
リアクション:
この村には移動図書館なんて滅多に来ないんだと。だからみんな楽しそうにしてるよ。
今日の午前中には子供がたくさんやってきた。「魔法の図書館だって! すげー!」だの、「この本、表紙がキラキラしててかっこいー!」だの、「あっちでかくれんぼしようぜ!」だの、騒がしいったらありゃしねえ。だから俺は、遊ばないで静かにしとくれよ、あと本は大事に扱ってくれよな、って声をかけた。「はーい」って返事はあったが、わかってんだかわかってねえんだか。クスクス笑いで奥の本棚の陰に引っ込んでったよ。
昼になったら子供たちは帰っていった。そんでこれから午後イチの仕事の始まりだ。小さい子供がわんさかうろちょろした後だ、あちこちに本が散らかってんだろう――と思ったら、意外にもそんなことはなかったぜ。どの本もちゃあんと本棚に戻してあった。ただ、場所が全然違うな。本には分類のための番号が振ってあって、その順番に本棚に収めてるんだが……まぁ、子供じゃわからねえか。
仕方ねえ。じっくり本棚を見て回って、本の整理でもするか。午後は受付カウンターにはあんまりいられねえかもな。
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