実験体通称名ノーチラス  一日目 【Garden ―箱庭の島の雛鳥】プレイログ

Garden プレイログ

はじめに

 これは『Garden ―箱庭の島の雛鳥』のプレイログです。

システムへのリンクは下記になります。

素敵な作品をありがとうございます。

https://talto.cc/projects/s4Iiu2vxAbsNXjm7EuAsx

 

 

 

キャラクター紹介

ノーチラス

・生きる理由 好奇心

・[生存本能] 3

・[肉体] 4

・[異能] 4

・[傷] 0

 

俺の名前はノーチラス。名前はここに来てもらったものだ。

俺の主任研究員のオリエはいつもイライラしてる。担当した実験体がどれもいい成績を出してないんだって。なんかちょっとかわいそうだしさ、俺ががんばって、オリエを偉くさせてあげたいよね。だってオリエは毛布とかジュースとかくれるし、たまにトムとジェリーも見せてくれるし。いつもイライラしてるけど、いい人だよ。

本編

一日目 異能訓練。感応。ロケーションは砂漠。

 砂。空。風。光。

 ……えっと、ふざけてるわけじゃないんだって。俺の能力を運用するためには、俺はナイゲン?とかナイカン?とかそういう言葉による思考をしなくちゃいけないらしくて、だから今やってるのはそれだ。口に出さずに独り言を言う。自分が何を見て、何をやるのか全部言葉にする。そんなこと言われたって、見ればわかることを言葉にする必要があるのかな?と思うけど、俺の実験がうまくいかなきゃひどい目にあわされるってオリエ(俺の主任研究員)は言う。めんどうだけどオリエを見捨てるほどめんどうなことでもないので、俺はこうして俺を運んできたヘリから落とされ砂地に向かって空気を切り裂きながらも言葉を並べている。

 脚がぶれる。今回つけられた義足は、接地面がダイバーの足先みたいに薄っぺらくて幅が平たい。脚の先端に書類を挟むバインダーをつけられてるみたいだ。そいつが空気にあおられて脚がふらついて気持ち悪い。

 着地。

 なるほど、着地したらわかったかも。転がって衝撃を逃がしてから立ち上がろうとすると、さらさらした砂地が俺の体重を吸い込むように沈んでいく感覚があった。いつもの先端が細い脚で来ていたら、ここに立っただけでずぶずぶ沈んで身動きが取れなくなったかもしれない。

 砂の表面がさらさらと動いて、かと思えばそこから何かが現れる。えーと……なんか虫っぽい。鋭く尖ったトゲをびくびくと前後させている。あれに刺されるのはやだなぁ。

「オリエ!ねえ、今日何すんの?逃げてりゃいいの?それとも刺された方がいいの?」

 ヘリは上昇したが、いまだに騒音をまき散らしている。ので、俺はインカムに向かって叫ぶように尋ねた。

「自分で考えてなんとかしろ。そこまでが訓練だ」

 通信機越しに、オリエはいつものイライラした口調で答えてくれる。

「ねえ!なんかさ、投げやりになってない?オリエ!俺ほんとにこんなんでいいの!?」

「うるさい!お前、俺より賢いつもりなのか!?」

「ごめんごめん、そんなんじゃないって、でもさ、」

 言いながら、俺は砂地を駆け回り、えーと、多分十匹よりたくさんいる、自分の前腕と同じぐらいのサイズの角ばった虫から逃げる。相手は中々素早いし、たくさんいる。飛び跳ねようとしても、砂は俺が下に込めた力をすうっと吸い込んで飛ばせてくれない。その計算違いで、虫が突き出した棘が俺の生身の腿を掠める。皮膚が浅く切り裂かれる感触。その深さのわりに、傷口はかっと熱い。毒?なんかそういうやつじゃないか、これ?

「や、やだー……!オリエ、俺これ普通に死ぬかもだよ?実験体全滅はヤバくない?」

「俺が悪いんじゃない、俺の所に送られてくるお前ら実験体が全員低能ばっかりなんだ!」

「ごめんごめん、ごめんってば!オリエは悪くないよ!だから教えて、これ逃げてるだけでいいの!?」

 だめだ、囲まれた。俺は怖気を感じながら、うごめく虫を思い切って踏みつけて走り出してみる。わわわ!義足の下で硬いものがぱきぱき割れる音。やだー!

「お前には感応能力があるだろう!それを使え」

「俺それよくわかんないんだって……!」

「お前の思考は外部に放射され、自意識の乏しい存在の行動に影響を及ぼす。要は、そいつらに止まれと命じれば止まるはずだ」

「え、ええー……」

「やれ」

 砂を蹴散らして走り回りながら、俺は一生懸命虫に語りかけようとしてみる。

(やめようよこんなこと。嫌じゃない?めちゃくちゃ暑いし、今日!脇汗がやばい。脇だけじゃなくてさっきから顔にも汗かいてめちゃくちゃくすぐったいんだって。一回拭わせてほしいんだけど、腕振って全力で走らないと君ら刺してきそうじゃん!やめよう!もう!ほら、砂の下に帰って!昼寝しよ、昼寝!こんな日は日陰にいる方がいいんだって!)

 だめだ、雑念まみれだ。もっとシンプルに行こう。

「日陰!日陰に入りなよ!こんな暑い日だよ!ほら!」

 自分で蹴立てた砂が口に入り、最悪な気分になった。口の中じゃりじゃりだ。

「日陰!日陰日陰!」

 だけど、虫達の動きは段々鈍ってきた、気がする。数匹はもぞもぞとまた砂の中に身を隠しつつある。俺は慎重に距離を取りながら虫達を観察し、じっと念じた。

(砂の中に帰って寝よう!今日は一日中お昼寝の日!それがいいって!おすすめ!)

 果たして、虫全てが地中に帰るまでに何分かかったのだろう。直射日光を浴び続けた俺は汗だくだった。

「……オリエ、これでいい……?」

「これじゃ戦闘試験はまず通過できないな」

「ごめんごめん、また明日もがんばるからさー……」

「当然だ」

 

能力値変化

能力値変化 [異能]+2

 

現在の能力値

・[生存本能] 3

・[肉体] 4

・[異能] 6

・[傷] 0

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