※この記事は、2024/3/23にX(Twitter)アカウント「ヒスイノボリ非公式二次創作ソロジャーナル プレイログアンソロジー(仮)告知アカウント(@hnploganthology)」にて掲載した内容をまとめたものです。
【ソロジャーナルTLリプレイ~キャプテン・ノボリの翡翠日誌編~】
というわけで、これから当アカウントのTL上に、実際にソロジャーナルを遊ぶ様子を流していきます。ソロジャーナルがどんなもので、どんな感じに遊ばれるものなのか、ぜひ参考にしていただければと思います。よろしくお願いします。
改めて、今回遊ぶソロジャーナルは拙作「キャプテン・ノボリの翡翠日誌」です。レジェアルで衝撃的な登場を果たしたヒスイノボリさんが、ヒスイに現れてからゲーム本編に至るXX年の間に過ごした日常を創作する、というのが本作のコンセプトになっています。

ゲームを遊ぶのに必要なのは、ゲーム内容を記録する媒体と、トランプ一組。記録する媒体はスマホやパソコンでもいいし、メモ帳やノートにアナログで書いてもOK。トランプは百均で買える他、最近はweb上で引けるツールもあります。ぜひ探してみてください。 それでは、実際に遊ぶ様子を見てみましょう。
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まずは、ルールブックの指示に従って順次トランプを引いていきます。わたしの場合、まず全部トランプを引いてしまってから、話を考えることが多いです。その方がお話を考えるとき、方向性がまとまりやすくなる気がするためです。
①イントロ
トランプを1枚引いて、出た記号から今回のお話の季節を決めます。♤が出たので、ルールブックの記述に従い、「冬」となります。
②リサーチ
最初にトランプを1枚引いて、記号を見ます。♧だったので、「黒い記号」です。 「黒い記号」の場合、この後で4回トランプを引いて、ルールブックで指定されている表と照らし合わせます。
というわけで、4回トランプを引いて表と照らし合わせた結果は、このようになりました。
♤9:気づき/よくないこと
♢J:苦悩/よいこと
♧9:気づき/よくないこと
♢A:能動/よいこと
おおっと!「気づき/よくないこと」がかぶっていますね……
かぶった要素は、今回は同じ1つの要素として扱うことにしましょう。このへんのルールは特に決まっていませんから、自分の好きなように処理をすれば大丈夫です。
そうすると、かぶったことでお話の要素が一つ減ってしまうので、ルールブックの記述に従い、もう1枚トランプを引くことにします。 結果は……
♤J:苦悩/よくないこと
またもかぶっていくッ!
ですが先程出たのは「苦悩/よいこと」だったので、「よくないこと」である今回は別扱いとしましょう。
さて。これで全てのトランプを引き終えましたので、改めて、今回得られたお話の要素を整理してみましょう。
♤9:気づき/よくないこと
♢J:苦悩/よいこと
♢A:能動/よいこと
♤J:苦悩/よくないこと
この4つの要素を使って、ヒスイノボリさんの日常……彼が書いた日誌の内容を想像していきます。
まず、スケールのでかそうな「能動」から考えていきます。 「能動」の文章はこんな感じです。「キャプテンとして特に活発に活動していた。担当エリアである天冠の山麓付近や、あるいはヒスイ地方の広い地域にまたがる大きな出来事があったのかもしれない。一体何が起こったのだろう?」
ふーむ、季節が冬……そして、「苦悩」の要素が「よいこと」と「よくないこと」の両方ある。そういう多面的な結果をもたらしそうな何か大きな出来事は……と考えていると、 「例年よりも暖かくなるのが早く、雪解けの時期が早まった」というアイデアが浮かびました。
いつもより早く春の兆候が表れるのは、人間にとっては嬉しいことでしょう。でもポケモンは? もしかしたら、早すぎる春によって悪影響を受けるポケモンもいるかもしれません。そして、ノボリさんはそういう事に心を痛める人のような気がします。 ……何だかいい感じなので、この方向でいきましょう。
そしてふと、この方向性であれば「気づき/よくないこと」の要素も入れられるのでは? と感じます。 早すぎる雪解けに嫌な予感がしたノボリさんが外に出ると、ポケモンにまつわるハプニングが起きていた……そんなお話はどうでしょう。例えば、雪解け水で増水した川にポケモンが流されていた、とか。
(ここまでの流れからおわかりいただけるかと思いますが、トランプで出た結果……お話の要素を、実際にどう解釈してお話に取り入れるかは、完全に遊ぶ人の自由です)
だいぶお話が出来てきました! あとは、どんなポケモンが出てくるか決まれば書けそうですね。それと、せっかくなので、原作ゲーム中のそれっぽい場所を舞台にしてみましょう。 ノボリさんは天冠の山麓のキャプテンなので、山麓のマップで水が流れている所は……と探していきます。
……マップを見ていたら、左隅のあたりに滝つぼがあり、そこから川が続いています。その付近には「フェアリーの泉」の文字。よし、このあたりにしましょう。 ついでに、このあたりで見かけるポケモンは……と調べてみると、スボミーがいるようです。カワイイですね。
スボミーはくさポケモン。こおりが弱点ですから寒いのは苦手なはずです。もし冬の間眠っているなら、早すぎる雪解けからの川の増水によって、寝床が押し流されるようなこともあるかもしれません。そう考えるとしっくりきたので、スボミーに出てもらうことにしましょう。
これで、話の大筋が決まりました。
「冬の長いヒスイにいつもよりも早い春の訪れ。天冠山の雪がかなり早く融けてしまう。なんだか嫌な予感がして山を見回っていたノボリさんは、フェアリーの泉あたりに差し掛かったところで増水した川に流されているスボミーを発見、助ける」
……という感じです。
ここまで来たら、あとは書いていくだけ。勢いに任せてガリガリガリッと筆を進め、プレイログが完成しました。 さて、どんな物語が出来たのでしょうか? ここからは、実際に完成したものを見ていきましょう。
2024.3.23 研究記録
その年は雪解けが早かったらしい。日記の記述に従えば平年平均の約1ヶ月ほど前に気温の上昇が始まっており、これはweb上に公開されているシンオウ地方の気象観測データとも一致している。
長い冬が早く明けるのは、寒さの厳しいヒスイの土地に暮らす人々にとってはありがたいことだが、ポケモンにとっては一概にそうとは言えない場合があり、その可能性をノボリは懸念していた。
いつものように夜明けと共に目覚めた彼は、胸に広がる不安感に導かれるように、当時「フェアリーの泉」と呼ばれていた付近まで足を伸ばしたところ、ポケモンの甲高い鳴き声を聞く。それは、早すぎる雪解けによって増水した川に流され、小さい足をばたつかせて助けを求めるスボミーの悲鳴であった。
「そこからはまさに一瞬の出来事でございました」とノボリは綴る。ノボリは咄嗟に手持ちのグライオンを出し、「でんこうせっか」の「早業」でスボミーを助け出した。
スボミーは襲われると思ったのか、助け出された後もしばらく恐怖に震えていたが、親らしきロズレイドが駆け寄ってくるのを見てようやく安堵の表情になり、二匹仲良く並んで山中へと消えていったという。
ノボリはグライオンを労り、山中の自分の小屋に戻ると、その日も黙々と仕事に打ち込んで過ごした。日記は、「あの子が無事であったおかげで、今日一日を晴れやかな気分で過ごすことが出来ました」という一文で締めくくられている。
以上が、完成したプレイログとなります。 実際の所要時間は、ゲーム開始からプレイログを書き終わるまで1時間ほど。プレイログを書く時間だけであれば15分ほどでした。わたしは比較的文章を書き慣れているので、結構早く終わった方かもしれません。
というわけで、ソロジャーナルTL上リプレイ、いかがだったでしょうか? この遊びの面白い所は、お話の要素がランダムに選ばれるため、自分ひとりで考えているだけでは決して出てこない発想が出てくるきっかけになる所。そして、同じ要素を元にお話を作っても、人によって全く違う内容になる所です。
そして、「人によって全く違うお話が出来る」がゆえに、ソロジャーナルには「ネタバレ」の概念が存在しません。自由に遊び、自由に他の人の書いたプレイログを読むことができます。
もし、今回のTL上リプレイで興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、ぜひ、この不思議な遊びに挑戦してみてください。 ランダムに現れた要素を想像力を駆使して繋ぎ合わせ、ひとつの物語にしていくのは、一から自分で考えていくのとはまた違った魅力がありますよ。
……ちなみに、「キャプテン・ノボリの翡翠日誌」は自由度が高い分遊ぶ難易度もやや高めなので、「難しそう」と思われた方には「Hisui Sleep(ヒスイスリープ)」がおすすめです。こちらはお話の筋が最初からある程度提示されているため、決めることが比較的少ない作りです。

それでは、以上を持ちまして、【ソロジャーナルTLリプレイ~キャプテン・ノボリの翡翠日誌編~】を締めさせていただきます。 ご覧になってくださった皆様、誠にありがとうございました。
【以上です】
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