はじめに
『DC44 Shakedown』は、対戦型SFレースTRPG『Double Charger 44』のマスターエディションに収録されているソロジャーナルRPGです。AGSマシン(未来の乗り物)と出会い、練習と調整を経て大会へ出場するまでの物語を体験できます。
本プレイログは、『Double Charger 44』の作者であるイサエギン自身の作品です。
プレイログ
①出会い
- マシンとの出会い:6(中堅メーカーまたはショップの高価な最新型マシンを新品で買った。マシンのクオリティ+6)
- マシンの長所:1(旋回性能に優れる)
- マシンのデザイン:2(曲線の美しい丸みを帯びたデザイン)
- マシンのカラー:7(オリーブイエローのボディカラー)
クオリティ:0→6
中古のダブルチャージャー43を丁寧にメンテナンスしながら、騙し騙し走り続けてきた。だが、それもいよいよ限界が来た。この前のレースでシールドジェネレーターが死んで、あいつは終わった。俺はメーカーの後ろ楯もなければ、大きなチームに所属している訳でもない、フリーの賞金稼ぎだ。それなり以上の結果を残し、個人のパイロットとしては十分過ぎるくらいに稼いだ。上手く行っているうちに、生きているうちにこのまま潔く引退して、新しい仕事を探す選択肢もあった。けど、俺はその金でもっと良いマシンを買うことにした。
そして今朝、俺は新しいマシンを受け取った。サイモンモーターズの「エレクトリックプリースト」。俺に金があったらこいつを買っていただろうと、ずっと前から考えてはいた。ボディ全体の重心とスラスター出力のバランスが優秀で、旋回性能は抜群に良い。低速セクションを確実に処理していける。前に乗っていた43と性格は違うが、だからこそ楽しみだ。午後の予定は空けてある、馴染みのサーキットへ走りに行くとしよう。
②練習
- 練習の成果:6(振り回されてばかりで全く乗りこなせない。危うく事故を起こすところだった。マシンのクオリティ+0)
- マシンの短所:1(コーナリング、ブレーキ性能など)
クオリティ:6
エレクトリックプリーストの良さは、あらゆるコーナーで急旋回を実現するスラスター出力にある。それは間違いない。だが、高出力過ぎる。43に慣れた感覚からすれば僅かなミスに思えても、敏感なこいつでは即オーバーステアだ。ドリフト走行をあまり練習してこなかったせいもあって、制御できずにスピンが頻発してしまう。メインエンジンのパワーは前に乗っていた43の方が上だが、まるで乗りこなせない。道のりは険しそうだ。
③チューニング
- 作業環境:2(チームのクルーに要望を伝え、実際の作業を任せた。マシンのクオリティ+3)
- 発生した問題:2(どうしても欲しいパーツが普通には流通しておらず、金を積むだけでは手に入らない。最悪の場合、犯罪に手を染めなければならない可能性もある)
クオリティ:6→9
思いがけない出来事が起きた。地元ではそこそこ名前のある中堅チームが、俺をスカウトしたいらしい。フリーの賞金稼ぎに収まる器じゃあない、連中はそう言ってた。専属のメカニックもいて、エレクトリックプリーストのセッティングにもを貸してくれるという。数日ほど考えた末に、俺はこのチームへ入ることに決めた。
メカニック達の腕は確かだった。オペレーティングシステムから走行ログを回収しつつ、パワーユニットとシールドジェネレーター全てのパラメータを再設定。スラスター自体は交換せず、若干のパワーリミットをかけるに留める。さらに、ステアリングホイールとシート、それから各種センサーユニットも交換し、乗りやすさを大幅に改善。プリーストは旋回という長所を残しつつも、俺の走行スタイルに合ったマシンに仕上がっていた。
エアブレーキも付け替えたのだが、少し気になる点がある。俺が知る限り、この「ABW-4/R」は随分昔に製造元のショップが廃業していたはずだ。職人によるハンドメイドで材質も特別、それでいて個数の限られるハイグレードなパーツともなれば、とても今からでは手に入らない。一体どこからこんなものを持ってきたんだ?それに、新入りの俺に使わせていい代物なのか?分からない。
クオリティ:9→10
④結末
クオリティ:10
グレード:A
「良いマシンだ。相手にとって不足はない」
チームに入ったのは正解だった。難しかったドリフト気味のコーナリングがやりやすくなったのは、単に俺が上達したというだけではない。メカニック達の提案したセッティングが上手く行っている。プリーストは扱いやすく、より戦闘力の高いマシンとして生まれ変わった。スラスター出力は余裕をもってコントロールできる範囲にあり、それでいて強力な武器となる。もうスピンはあり得ない。バトルはともかく、純粋なタイムトライアルならまず遠慮なく踏んで行ける。
危険を承知でAGSレースを続ける道を選び、敢えてエレクトリックプリーストを買った意味があったかどうかは、まだ断言できない。それが正解だったと証明するには、今日の復帰戦で結果を残すしかない。ただ、俺はこいつのことをかなり信用している。俺はプリーストに、プリーストは俺に、俺達はそれぞれの壁を乗り越えて一体化しつつある。43の時とは確実に違った走行スタイルで挑むことになるが、不思議と怖さは感じなかった。
行こう。チームに借りを返す時だ。
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