このゲームについて
Quick Questは、ソロプレイ初心者向けに特化した、短い時間で走り抜けることを主目的としたRPGです。あらゆる冒険が端的な7つのステップでぽんぽんと解決され、次に進みます。
ゲームプレイ
1.キャラメイク+場所
Location…5/山のねぐら・隠れ家
ここはドルコーナ山脈。人間の目から見たこの山地は、ドルコーノの肥沃な大地を北の海から吹き付ける、寒風から守る衝立のような存在だ。
私はこの山に住まうドラゴン。ドラゴンたちはあまり名前を呼ばないが、一応の個体の名前としてはリヒロウィッツェという名がある。生まれてまだ20年しか経っていないが、能力ではもう大人のドラゴンにだって負けてはいない。〈炎のブレス〉は、私の自慢の能力だ。
2.登場人物
Character…22/誤った方向に導かれた英雄
剣を手に現れた青年が、私に向かって敵意に燃える目で言った。
「人を脅かす悪竜め! ミレイラ姫は返してもらうぞ!」
全く身に覚えのない話だ。参ったな。剣一本を帯びてこの危険な山道を踏破してきたようだし、どうやら腕は確かなようだ。このままでは無傷では切り抜けられそうにない。
3.目標
Objective…6/情報を盗む
彼はどうやら英雄と呼ばれるような人間だ。彼を傷つけたら、私は本当の悪竜になってしまうだろう。となると、戦ってはダメだ。
彼はなぜこんな勘違いをして、私を殺そうとしているのだろう。誰か悪意のある人間が陰にいるのかもしれない。なんとかして、彼と対話をするのだ。
4.障害
Obstacle…14/望まない注目
「待ってくれ」
口を開けたその時、私の喉の奥には消えないドラゴンの炎がぶわっ、と立ち上った。人間の戦士は怒りに燃える眼差しで距離を取り、鋭い剣を油断なく構えた。
「貴様の穢れた炎で、この俺を焼けるならば焼いてみろ!」
「違うんだって……落ち着いてくれないかな」
「悪竜め……ブレスを吐こうした口で、よくもそのような世迷言を吐けるものだ!」
「消せないんだよ、この火は……」
参ったな。私の強力な〈炎のブレス〉の存在が、余計に彼の態度を硬化させてしまう。
5.行動
私は久しく使わなかった魔法を使い、その場で人間の姿を取った。戦闘に向いてそうにはとても見えない10代の女性の姿を目にして、英雄は動揺しじりりと下がる。
「まやかしか! そのようなもので……」
「この図体をひっこめたら、君も通れるだろう。この私のねぐらの中にね。攫われた姫なんかどこにもいない。君の眼でよく確認してくれ」
「なんだと……何が目的だ!」
「今全部言ったよね!?」
思い込みの激しい男だ。私は呆れながらも無抵抗を示すように両手をひらりと上げて脇に引っ込み、英雄を私のねぐらへと通した。英雄は山の中腹の深い洞窟に進んでいく。私は洞窟の入り口で、彼が誤解を正して出てくるのを待った。
6.結果
英雄が出てきた。その目は激怒に燃え、その手にはネックレスが握られていた。
真珠のネックレス。なぜか血まみれで、乾いた血にべっとりと覆われている。
「……それは?」
私は嫌な予感がして尋ねた。英雄はネックレスを握り締めた手をぶるぶると震わせ、肩を落とした。
「ああ、ミレイラ姫……くそっ。俺に無力感を与えるために、こんなことを」
「そ、それがお姫様の持ち物だったのかね? でも、私はそんなネックレスなんて知らない――」
英雄が切りかかってくる。私は慌てて翼を翻して飛び、空に逃げた。
こんなことでは対話なんてできるはずがない。作戦は失敗だ。
7.クリフハンガー
「ドルコーナの悪竜!我が剣にて討ち果たす!」
「戦うしかないのか……!?」
私は空を飛び、英雄の猛攻から逃れながら、動揺をこらえ、覚悟を固めようとしている。
なぜ私のねぐらにお姫様のネックレスなんかがあったんだろう?しかも、血に汚れているなんて尋常じゃないぞ。
戦いながら、それについて見定めていくしかないだろう。
プレイを終えて
計画せずにプレイし、その場で何が起こるかを楽しむ
推敲せず、止まらず、うまく書こうとしない
物語の穴やアイデアの質を気にしない
使い古された展開やお決まりのパターンもどんどん使う
深刻になりすぎず、とにかくバカバカしいアイデアにも挑戦する(バカげているほど楽しい!)
(ルールPDFから引用)
雑にざっくり遊べて、どんなシチュエーションや世界観でも楽しめるソロRPGです。初心者向けというのももちろんそうだし、私みたいな考えすぎるタイプが基本に立ち返るためにも有効な気がします。
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