◆セットアップ
3月15日20時開始
【道具の形】4:鳴るもの
【魔法の効果】Q:操縦
1d6 (1D6) > 5
【魔法の程度】5: 比較的大きな、または目立つ効用
ひとたびチリンと鳴らすと、聞いた人は提案を飲みこんでくれる、不思議な鈴
◆リーディング
1d6 (1D6) > 1
【カードの色】
赤:持ち主やその隣人、あるいはあなたにとって好ましいこと。
【カードの数】
8:他の魔法の道具との思い出。どんなことを話したのだろう?
「あら、あなたがわたしの最期を看取ってくれるのかしら?」
「いいわ。わたしの力を知っているみたいだもの。うっかり鳴らしてわたしが変なお願い事してあなたがそれに従ってしまうなんてことなさそうなのは、残念ね。……うそよ冗談よ」
鈴はくすくすと楽しそうに笑う。
「わたしの他にも魔法道具はあったわ。……そうね、魔よけの首飾りといっしょに主は使っていたわね」
「なぜって? わたしの音色で主が『はい』を言わされないようにするためよ。つまり、魔よけの首飾りはわたしみたいな魔法道具の効果を受け付けなくするの」
「首飾りの性格はいたって素直だから、からかうのが楽しかったわ。主にイタズラする空想を首飾りに語ると嫌がるのよ。わたしも首飾りも自力では動けないのに、本当にされたかのように嫌がるんだから……」
うふふと思い出して笑っている。楽しかった思い出だったようだ。
【カードの色】
赤:持ち主やその隣人、あるいはあなたにとって好ましいこと。
【カードの数】
10:直前の持ち主はどのようにして手放すことになったのだろう?
「あ、そうそう。最後の……ひとつ前の主がなぜ手放したかっての話。なんで最後じゃないのかって? あなたが最後になるでしょ」
当然のように言う。
「わたしはね、こういった力をもっているから、首飾りみたいな魔よけの道具がなきゃ『渡してくれ』でほいっと渡せちゃうのよ」
「そんなすごい力を持った道具があったら、『これはやばい』ってなる人が現れるわけよ。今あなたの元にいるからその魂胆は成功しているってわけ」
「わたしがわたしでいられるのはあと少しなのも、その人がわたしの力に終わりを与えたからなのよね。くぅ、やられたわぁ……」
「だからこうやってあなたが遺言を聞いてくれてるってわけ。あなたの売り物、元大層な魔法道具もあったじゃない? あなたの話も聞きたかったけれど、わたしを語るので精一杯なのがなんだかもったいないわね」
「ああ、正義のために魔法を封じるなんて、なんて面白い人かしら」
【カードの色】
赤:持ち主やその隣人、あるいはあなたにとって好ましいこと。
【カードの数】
5:持ち主が代わった時のこと。合意はあったのだろうか?
「こういった力があるんだもの。もちろん『合意』に決まっているわ」
「主同士だけでなくわたしも? わたしはあなたのような耳飾りがなければ人と会話はできないけれど、でも主が変わるとわたしをどう使うか変わって面白かったわ」
「わたしを悪いことに使えば、恨みを持つ人にわたしの力であげることになっちゃうことが多かったわね。すべてがそう回っているわけではないけれど、因果応報を感じられて楽しかったわね。次はどんな人が奪いに来るんだろうって」
心底楽しそうに語っている。
◆エンディング
【最期の質問】
・次に引き取られるなら、どんな人がいい?
「そうね……わたしはただの鈴になるけれど、音色は相変わらず綺麗だから、音を愛してくれる人がいいわね」
・魔よけの首飾りに会いたい?
「ばかな空想話をしてからかうことはできないけれど……会えるのならきっと素敵なことだわ」
そう言って鈴は永遠の眠りについた。
魔よけの首飾りが手に入るまで保管することも考えたが、人の手を渡ることを楽しんでいた鈴ならば、新たに人の手の元へと渡らせることがいいだろうと思った。
鈴を揺らすとチリンと透き通る音が聞こえた。
コメント
魔法骨董ここに眠る
ふせったーに載せたものを再掲しています。
https://booth.pm/ja/items/4067178
こちらで入手できます。TALTOでも配布されています。