Random Tables: Compendiumは、OrkishBlade氏がRedditで公開しているランダム表集です。
これを参照してダイスを振っていくことでダンジョン、都市、悪人の徒党などが出来上がる仕組みになっています。今回はこの中から、まずは「RANDOM CAVERNS: INTO THE DARK…」という表を使ってみます。
本来はソロジャーナルではなくランダム表なのですが、ダイスを振り、結果の空白を補完し、一つのロケーションを完成させ、それにまつわる冒険を書き留める過程をジャーナルとして記録していきたいと思います。
d10 Entrance: The cave mouth is..
10/Difficult to access (d6)
2. up or down a cliff face
その洞窟は、切り立った崖の上にあります。崖を安全に上る方法はほとんどなく、切り立った岸壁を登攀するよりほかありません。
d20 Distinguishing Landmark: You see…
6/A deep chasm with no bottom in sight.
洞窟の中には深い亀裂が走っています。底が見えないほど深い亀裂です。
d12 Features: You notice…
11/The name of a previous traveler carved into or written on a wall.
壁には誰かの名前が刻まれているようです。かつてこの洞窟を探索した誰かが書き残した名前でしょうか?
d6 Hazards/Obstacles: You find…
1/A colony of poisonous mushrooms.
毒キノコに覆われたエリアがあります。胞子を吸い込まないように対策をしなければならないでしょう。
d12 Walls: The cave wall is…
1/Slightly damp.
洞窟の壁は全体的に湿っていて、じめじめした空気が満ちています。亀裂の下では地下水流がごうごうと音を立てて流れているようです。
d6 Ceiling: The cave ceiling is…
4/Rough and jagged.
天井は乱杭歯のような鉱石が噛み合って形作られ、その硬い表面からぽたぽたと水気が滴ってきます。
d12 Travelers/Visitors: You come upon…
4/A fugitive criminal (d6)
5/Theif.
こんな孤立した洞窟に好き好んでやってくるようなのは、冒険者でなければ脛に傷を持つお尋ね者です。この洞窟を訪れた冒険者は、凶悪な逃亡犯に鉢合わせることになるでしょう。どうやら、この逃亡犯はシーフのようです。どんな人物か、おなじ文書の「RANDOM THIEVES: HOLD ON TO YOUR PURSE…」を振って決めてみましょう。
d12 Background: The thief is…
5/A brash, young fool.
彼は考えの浅い、イキった若者のようです。
d12 Trait: The thief has…
10/An open shirt and a very hairy chest.
シャツの胸元を大きく開けて、男らしい胸毛を見せています。しまえ。
d12 Apparel or accessory: The thief wears…
5/A leather baldric
革製の立派な剣帯を身につけています。気分はサーベルを持った剣士様ですね。カッコつけで見栄っ張りなキャラクターが固まってきました。本当に彼は凶悪な逃亡犯なのでしょうか?
d20 Possession: The thief carries..
7/A well-worn lantern.
彼は使い古されたランタンを持っています。洞窟に隠れ潜むときに、このささやかな明かりがどれだけありがたいか。
d6 Mannerisms: The thief…
3/Laughs maniacally at everything.
彼は何に対しても狂ったように笑います。悲しくても、恐ろしくても、とにかくゲラゲラ笑うことで自分は恐れていないと示すのです。狂気に見せかけた虚勢は、子供にすら見抜かれます。
d10 Weapons: The thief is armed with…
7/A club and a knife.
彼の武器はナイフとこん棒です。棍棒を振り回して勇敢さを示し、敵を叩きのめし、そしてナイフでじっくりと頸動脈を掻っ切るという戦法です。
8 Work: The thief’s modus operandi is…
1/Petty theft.
大方の予想通り、本来の彼はけちなコソ泥です。
d10 Goal: The thief is looking for…
8/The location of storied item of value.
ケチなコソ泥の彼にも夢があります。それは、伝説のアイテムを手に入れることです。その夢に狩り立てられて手を染めた犯罪が、彼の運命を大きく左右したということなのでしょう。彼は今や追われる身となり、崖の上の洞窟に逃げ込んで息をひそめています。
彼が踏んだヤバいヤマとは、何だったのでしょう?
d20 Recent jobs: Recently, the thief has been operating in or near…
16/A gatehouse.
彼は門番の詰め所に押し入り、大立ち回りを演じました。門番たちが都市にやってくる来訪者から取り上げた「禁制品」の中に、彼が求める伝説のアイテムのヒントがある、という不確かな噂を耳にしたためです。
彼はそのとき、善良な門番を殺害しました。都市に戻れば死刑以外は考えられません。
逃亡犯の盗賊については、だいぶ人となりが見えてきたようです。
この洞窟にいったん話を戻しましょう。洞窟の具体的な情報について、「Dungeon Dressing」を用いて決めていきます。
d100 Air Currents
90/wind, strong.
これだけの高所ともなれば、亀裂から強い風が吹き込んできます。それは恐ろしい獣の吠え声にも聞こえるでしょう。
d100 Odors
39/dank, mouldy smell.
湿っぽい空気は強い風でも払いようがないようです。毒キノコが生えていない部屋も、青白いカビで覆われています。
d100 Air
26/clear.
空気自体に異常はありません……毒キノコの密室に踏み込まなければの話です。
d100 General features
29/teeth/fangs, scattered.
人や獣の歯だけが散らばっています。呪術的な儀式の形跡でしょうか?
89/torch stub.
燃えさしのたいまつがあります。盗賊はカンテラを持っていたので、これは盗賊の持ち物ではなさそうです。ここでは確実に何かが行われています。
儀式の形跡をよく見れば、具体的なものが見えてくるでしょう。
d100 Religious Articles and Furnishings
91-97. vestments.
白い祭服があります。衣装を人数分以上に用意していたということです。
まとめ
切り立った崖の上にある「ウォーターバークの洞窟」は、あるカルトの本拠地です。
彼らはここに立てこもり、邪悪な儀式を行っていました。しかし、彼らは突然姿を消します。魔界から呼び出された悪魔に貪り食われたのだという噂は、半分正しく、半分誤っています。彼らが魔界から呼び出した怪物の体についていた小さな菌類は、この洞窟の環境に適応し大繁殖してしまいました。その猛毒の胞子に次々にやられ、彼らは洞窟の一室を覆うキノコの中に埋もれる屍となっていったのです。
そんな歴史を知らないまま、一人の若者が崖を登ってこの「ウォーターバークの洞窟」へやってきました。彼の名はベック、逃亡犯です。彼は「闇の魔法の指輪」の情報を追い求め、その結果として街の門番を手に掛けてしまいました。彼は生まれ育った町でお尋ね者となり、逃げる先が思いつかずにこんな難所の洞窟に逃げ込んだのです。
ベックがどうなったかって? 少なくとも彼が洞窟の中を派手に移動したせいで、殺人胞子が洞窟中を飛び回り始めたのは確実なようです。
ベックが門番小屋から盗み出した禁制の魔法の品は、実のところ違法な品物ではありませんでした。専門家の鑑定を受け、持ち主である交易商に返却する予定だったのです。それを奪われてしまっては、大きな問題になるのは避けられません。
街の首長から依頼を受けた冒険者たちは菌に覆われた若者の屍を目にし、カルトの信者が残した悲痛な日誌を読むことになるでしょう。そして、真相にたどり着いたころには、彼らは洞窟の奥深くまで到達しています……冒険者たちの肺の中の胞子は、いつ牙を剥くでしょう?
コメント