王の屍を越えていく。家系図を書くソロジャーナルをやってみた

プレイログ
何があなたをここへと導いたのだろう、忘れられた古文書で満たされたこの静かな部屋へと。
そこにあるただの名前と出来事の羅列は、何を引き起こすだろう。
過ぎ去った時代への敬意、嘲笑……あるいは、それらは私たちに警鐘を鳴らしているのかもしれない。

このプレイログについて

Lineage Epoch Edition」は、歴史家となって王家の家系図を書くソロジャーナルです。
ジャーナルのタイトルと物語の主題となる王家の名前を、とあるゲームから拝借しています。こちらも家系図が出てくるゲームです。

ジャーナル

1.征服王マトラ

我らが王国の華々しき建国の記は、征服王マトラの名とともに始まる。

称号…13/征服王

オレシカバ王国の建国は、征服者によって打ち立てられた輝ける石碑から始まる。「マトラの石碑」には、この地を治めていた古き暴君を、マトラ征服王がそれ以上の暴力で打ち滅ぼし追滅していく様が事細かに刻み付けられ、記されている。

配偶者…36/反逆者として知られる貴族の家系出身

マトラ王の正妻シトラ妃は、かつてこの地を治めていた古き暴君に仕える英雄の妻だった。英雄はマトラに下り、凄まじき戦の中でついにかつての主を追い詰め、討った。
そしてマトラ王が英雄に賜った栄誉の美酒には、毒が忍ばされていた。それがこの地のならわしであったと言う者もいれば、マトラ王が美しき妻に横恋慕していたのだと言う者もいる。実のところその毒にどのような意味があったのか、正式な歴史書には残されていない。
確かなのはそれにより英雄は死したこと――
そして、シトラ妃はいまやただ、「マトラ征服王の妃」として歴史に名を残していること。

継嗣の数…6(うち死亡者6)

シトラ妃が産んだ三人の子、そして第二妃、第三妃が産んだ三人の子は、皆幼くして死んだ。
最後の子が死んだとき、マトラ征服王は70歳。その烈日のごとき人生の黄昏は、我が子を失った悲嘆に暗く塗りつぶされていた。

歴史的な出来事の数…3つ

マトラ征服王が建国以降に行ったこととして、次の三つが挙げられる。

1つ目の歴史的な出来事…26/古い法の劇的な改正

マトラ征服王は東方から現れた。東方の法は、この地の伝統的な法典と異なり、非常に詳細で具体的であり、法典に関連する様々な用語を明瞭に定めている。オレシカバ王国の法は、その影響を色濃く受けている。

2つ目の歴史的な出来事…13/近親者による反乱の企て

それこそがマトラ征服王の晩年を苦しめた。マトラ征服王の弟カラウィジャは、若い頃こそ王たる兄を支えていたが、やがて兄の王位を狙うようになった。マトラの六人の子に、彼の毒牙に懸かったものは何人いたのだろう。
シトラ妃は我が子を失った悲しみの中で没し、マトラが真に信頼できる者は弟だけになった。だが、弟こそが最も忌まわしく邪悪な敵であることを、老いたるマトラはとうに知っていた――

3つ目の歴史的な出来事…42/大貴族がタブーを破るよう要請する

マトラが打ち立てた法典は、貴族や官僚の権限や義務についても厳しく定めていた。
マトラは晩年、衰え、かつての理知も熾烈さも失っていた。法と制度による規律正しい国家の運営を志していた若き征服王の姿はそこにはなく、日夜何かに怯え、大声を上げ、苦しむようになっていた。
老貴族たちは人払いをした病室に踏み込み、病床に伏した王の節くれ歪んだ手を掴み、震える線で国政にまつわる宣誓書にサインをさせた。美しく輝かしきオレシカバ建国法典は、害虫のごとく変貌した貴族たちによって醜い虫食いを残すことになった。

死因…45/らい病

マトラ征服王は病床で冷たい屍となり、建国の石碑の元に埋葬された。
王弟カラウィジャにより、葬儀は盛大に執り行われた。

2.王弟カラウィジャ

マトラの死の後、カラウィジャは王位についた。

称号…52/聖人王

カラウィジャは後年、「聖人王」と呼ばれるようになった。晩年の兄に対する仕打ちからは想像もつかないその呼び名には、大いなる皮肉が込められていた。

配偶者…23/遠いいとこ、残酷さで知られた

継嗣の数…3(うち4人が死亡)

聖人王カラウィジャの妃は、遠く東方より連れてこられた血縁の娘だった。王都の者たちの目にはただの平凡な辺境の娘としか映らなかった王妃テテルヤは、しかし、妃の冠を頂くことでその内なる毒牙を剥き出しにするようになった。
カラウィジャとテテルヤの間には子供はおらず、カラウィジャは側室を迎えた。側室たちは3人の子を産み、その全てが奇妙な事故や毒により死亡した。特に力をつけた側室の一人は、崖から突き落とされ殺された。カラウィジャは彼女の亡骸に縋り、せめてその腹の中の子だけでも生き返らせることはできないかと医師に懇願したという。

先王マトラの王座についたカラウィジャは、ただ悲嘆と恐怖に苦しめられ、大した功績も残さずに老いていった。

歴史的な出来事の数…1つ

1つ目の歴史的な出来事…26/効果的でない法制度により、法が守られていない。

なまじ先王マトラが法や規範に深く知識と造詣を持っていたゆえに、その王が残した体制にカラウィジャの理解はついていけなかった。
その場しのぎで削られ、付け足され、不細工に膨れ上がったオレシカバ国の法典は、この後の歴史にも暗い影を落とすことになる。

死因…42/眠っている間に

聖人王カラウィジャは、ある朝、眠るように死んでいた。
しかし、それを人々に伝えたのが、悪名高き王妃テテルヤであることは……
言わずもがな、語るに及ばず。
ただ王は死した、それだけでよかったのだ。

3.女王テテルヤ

夫カラウィジャの死後、王権を執ったのは王妃テテルヤだった。
彼女はいくつかの法を書き換え、自ら戴冠式を行った。

称号…41/虚栄王

夫の死後当たり前のように玉座に座った若い女を、歓迎する者はもちろん少なかった。
彼女の策謀と暗殺を恐れ、人々は口を噤んだが――その悪名を留めることはできなかった。(D(不名誉)+1)

配偶者…62/外交官・大使

王妃テテルヤが夫として指名したのは、オレシカバの外交官をしていた若い男――と言っても同年代だ――、カルカだった。
このとき、カルカは大変驚いたとされる。なぜなら、テテルヤとカルカは会話をしたことすら数えるほどしかなかったからだ。これは一説には、近しい男を夫とすることで先王カラウィジャ存命の時から不貞を行っていたと噂されるのを恐れたためだと言われる。
だが、さまざまな状況から判断される定説はやや異なる。
カルカは若く、賢く、力ある男だった。選ばれるべくして選ばれた男と言っても過言ではない。カルカの存在は、オレシカバ王国興隆期の繁栄に大きく関与していくのだ。

継嗣の数…11人(うち4人死亡)

継嗣の性別…男、女、男、女、男、男、男

テテルヤは多くの子を産み、また幼くして頭角を現した子らを次々に養子に迎えた。ほぼ間違いなくカラウィジャの側室の子らを毒牙に懸け、全てを死なせた彼女だったが、自らの子らには非常に愛情深く、また厳しく接した。テテルヤが子をどのように躾け、教え、認め、成長させていったかにいては、今でも多くの逸話が語られている。

歴史的な出来事の数…3つ

虚栄王テテルヤの在位期間中には、様々な出来事が起き、王国が大きく動いた。
なかでも最も大きな出来事が、次の3つだ。

1つ目の歴史的な出来事…53/領土の民が団結し、祝祭が執り行われる。王国は黄金期に突入する。

テテルヤの第一の継嗣ナセグの成人の祝祭は、王国を挙げて盛大に行われた。
まだ若き国であったオレシカバの王たちは、皆争いの中でその継嗣らを失っていた。テテルヤの子らは、初めて王家の血が次代に撚り結ばれるという証だったのだ。
テテルヤの子らは皆賢く、活力に満ち、それぞれの専門分野に秀でていた。それはまた、様々な階級、様々な職能の国民たちに、王室への関心を持たせるきっかけとなったようだ。

2つ目の歴史的な出来事…51/賢者が、世の多くの権力を王が掌握することでより王国が豊かになると提案する。

征服王マトラが作り上げた精緻で複雑、そして膨大な法の数々は、その全貌を理解しえなかった官吏と貴族、そして先王カラウィジャによって、害虫に食い荒らされたかのように醜く非合理な改訂が繰り返されていた。マトラの作り上げた美しく合理的な法はいまや不具であり、国家の運営に支障をきたしていた。
テテルヤは賢者の進言を受け、多くの法を廃止した。オレシカバの法と国体はできる限り簡易化され、王族によってほとんどの意思決定が為されるようになった。

3つ目の歴史的な出来事…16/周囲の小国が相次いで属国になりたがる。

オレシカバ王国は黄金期を迎え、その国力は時と共に増していった。それまで建国以降の緊張状態や外交上の競り合いが続いていた周辺国はその力の差が開いていくにつれ、出方を変えるようになっていく。オレシカバ王国傘下の『周辺三国』は、この時に確立したとされている。
その支配域を広げるとともに、王国はむしろ安定していき、円熟の時を迎えていた。それはすべて、かつて虚栄王と嘲られた、数奇なる運命を生きた女、テテルヤの手腕と、子らへの愛によるものだった。

死因…61/矢によって射殺

式典の場に立つテテルヤの胸を、一本の矢が射貫き、その燃え立ち輝くがごとき生をあっさり終わらせた。
矢を射たのはまだ幼き彼女の第11継嗣だった。母との戯れのつもりにすぎなかったとも、邪術によって操られていたためとも言われている。
盛大な葬儀が執り行われた。テテルヤの棺の横には、その王子の小さな屍を収めた棺が並べられた。
王子は処刑されたのではなく、その幼さに見合わぬ弓の腕を見込まれ、偉大なる王の死出の旅の守り人となるべくして送り出されたのだ。子供らしいわがままで旅を嫌がる王子の醜態を晒さないよう、その頭には分厚い頭巾が被せられ、その胸は王族の守り刀の白刃を納める鞘となった。

ジャーナルの中断

かくして、オレシカバ王国の王族の家系図はようやくスタートする。
テテルヤの七人の子らの血族が、この後の王国の歴史を紡いでいくこととなる。
だが、それはまた別の話。今宵の執筆はここまでとしよう。

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コメント

  1. takapon より:

    CK3とかプレイしたことあるのでとても面白かったです!
    国や一族の名前的に古代エジプトっぽい風景を想像してしまいました!
    いきなりマトラ王やカラウイジャ王の後継者全員死んでしまったり、苦難の道を歩まれていますね……一族図が完成するのが楽しみです!

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