【プレイログ】オイランドロイド・ウィズ・ユー ~アズサの場合~

 珍しく曇り空が見えるその日、アズサは意気揚々と一棟丸ごと各種医療施設が詰め込まれたメディカルビルディングのED専用治療階、通称オイランドロイドフロアにやってきた。その脳裏にはここにいたるまでのヒストリーが走馬灯のように蘇っていた……がそれはまたの機会でいいだろう。
オイランドロイドの正規代理店に入る。出迎えたサラリマンに定められた書類を提出し、一部医療保険適応内容を確認し、ふわふわローンの締結を行い、ようやく目の前にはオイランドロイドを選定するためのカタログが差し出された。

「フム、では……」

カタログ内容から私は以下の内容を理想とした。もちろん、予算は少なければ少ないほどいいが実際どうなるかはわからない。しかし実際前後できなくては意味がない、あらかじめ希望を考えることは大事だろう。

・い セクシャル
4、ワカムシャ(青年)

・ろ フェイス
2、ハニー(甘い)

・は ボディ
6、実に豊満

・に 得意な医療行為部位
5、アンダーボディ(下半身)

「へぇ、お客様スキモノですね」
エビス顔からにやついた笑みに変わったサラリマンに、こちらも愛想笑いを返す。
「ヒヒッ、スモトリバーによく行きます」
重圧な肉の壁、それに囲まれた時の幸せは計り知れない。あの性別を超越したやわからく豊満な体を思うとヨダレが止まらなくなってきた。
「ではここから先はお客様の意志で決定して言って下さい。ドウゾゴユックリ」
カタログとデジタルビジョン、それとリモコンを渡してサラリマンは下がっていった。ここから先は理想と予算を天秤にかけ、慎重にオイランドロイドを選ばなくてはならない。
実際選ぶドスエ、とビジョンに移った案内用AIオイランがにこやかに笑っている。私は意を決してリモコンを操作し始めた。
「……カワイイヤッター、理想重点で!」

[・い セクシャル(1D6) → 3、マイコ(少女)]

「うーん、1万札だけならダイジョーブ」
早速理想と違う内容に決まったが変更に1万札しかかからなかったので気負いせずリモコンを使い変更する。

[1万札ローン:変更 → 4、ワカムシャ(青年)]

[・ろ フェイス(1D6) → 4、カワイイ(可愛い)]

「ダメ!ダメダメ!私よりカワイイ!!」
首を左右に大きく振りリモコンを握る。だがふと考える、一番大事なポイントはどこか?と……考えに考えた結果、1万札払いノーマルに変更する。うん、イケメンだ。

[1万札ローン:変更 → 3、ノーマル(美人)]

[・は ボディ(1D6) → 3、一般的]

「ああああああああ!!」
「足りない、実に豊満以外ありえない!!」
一般的筋肉ボディがビジョンに映った瞬間、リモコンを操作していた。即座にすべてを包み込むスモトリボディに代わり私は満足する。3万札は安くないがここを妥協しては医療行為にはばかりが出る、そう自分に言い聞かせて決定ボタンを押した。

[3万札ローン:変更 → 6、実に豊満]


[・に 得意な医療行為部位 → 5、アンダーボディ(下半身)]

「おお、ブッダ!感謝します!!」
リモコンを握りしめガッツポーズを取る。ハッとして周りを見るが幸い一人だったことを思い出し平静を装いなおす。
改めて目の前の理想のオイランドロイドを眺め、満足そうに頷いた。

[変更なし]

最終決定のボタンを押せば最初と同じようにAIオイラン音声で
「お疲れ様ドスエ」
と声が掛けられる。うって変わって目の前のビジョンには「実際安全ふわふわローン。ご利用額は5万札ドスエ」の文字が躍っている。
「大丈夫、理想の項目が一つドンピシャで来たからそこまでかさんでないし……実際安全、実際安全」
そうやって中々見ない額に怯えていればサラリマンがやってくる。その隣には私の理想を限りなく模したスモトリボディをしたオイランドロイドが立っている。
「ワァ!最高ですね!!」
「そうでしょそうでしょ。ではお支払いは宜しくお願いします、オタッシャデー」
「はい、オタッシャデー」
その後私はオイランドロイドの手を取り、ウキウキしたままメディカルビルディングを後にした。

*****

数日後、私はオイランドロイドと良い日々を過ごしている。自宅の家事や必要事項を覚えさせ、ようやく最低限の医療補助を受けられる準備が整った。そう、激しく前後できるのだ!!
……そう思ったのもつかの間、ふわふわローンから返済計画書を送るように連絡がきた。せっかくの気持ちが萎えないように早急に支払うことにした。

[4D6>ふわふわローンで借りた借りた万札数 = 4D6>(1+1+3) → 13>5:支払い成功]

「ヨカッタ。無事に支払えそう」
ほっと胸を撫で下ろす。ここで借金を負ったらせっかく手に入れた理想を転売したり違法改造をしてオイラン化させる所だった……!
「でもこれで、ウィヒヒ」
今夜は激しく前後できるだろう。実に楽しみだ!そんな私の笑顔を見てオイランドロイドも反射的に笑みを浮かべる、この機械的反応でも十二分に満たされる。

夜、私はオイランドロイドと寝具の上で遊技する。実に豊満な体が私に圧し掛かる。
「アイエエ」
息が出来ないほどの多幸感。実に感動的だ。だが上手くいくのだろうか?

[4D6+理想の項目を選んだセクション数D6>全てのセクションで選んだ項目の合計数 = 4D6+3D6>(4+3+6+5) → 18>18

「アイ、アイエエ……苦しい……!」
肉布団に埋もれたまま私は激しく前後した。それは苦痛と快楽を同時に味わう酷い出来のカクテルのようだ。
「ウイ、ウイーヒヒヒッ!」
脳が限界に足したのと同時に絶頂し、そして気絶した。目覚めた私が見たものは自ら吐いたゲロにまみれたまま笑顔で私を介抱するオイランドロイドの姿だった。
「大丈夫でゴワス?」
「ええ、大丈夫。アリガト」
「ゴッチャンデス」
無事役目を終えたオイランドロイドは充電も兼ねて椅子型バッテリーに座り活動休止した。生白い肌を濡らし光る吐瀉物は新たな癖の扉を開きそうだったのでそっと目をそらした。
「うう、これは……二度目をするのをためらいますね」
汚れたベッドを見下ろし私は溜息を吐いた。激しく前後した直後で疲れていた私はそのまま汚れた部分のシーツを剥ぎ、マットレスに直に寝てしまった。

こうして私とオイランドロイドの日々が始まった。たとえ激しく前後できなくても彼の豊満な体は抱きしめるだけで充実した安らぎを与えてくれる、おおむね満足だ。
実際安全、オイランドロイド。皆も是非カワイガッテネ!

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