Elegant Fantasy Artifact Generatorでアイテムを作ろう

プレイログ

Elegant Fantasy Artifact Generatorは、特別なアイテムを作るためのランダム表集の一つです。このシリーズは特にゆっくりと時間を取り、表の結果から内容を補完しながら記録を取り、文章としてまとめ、そこから紡がれる物語を楽しむことを推奨しています。今回はこれをジャーナルとして、ランダム表の結果を綴っていこうと思います。

Elegant Fantasy Artifact Generatorは、Nine Tongues TalesよりDrivethru RPGで販売されています。販売ページはこちら

1.Item type

…88/ロザリオ、サンゴのネックレス、数珠など

それは特別なアイテムです。何かしらを連ねて首に掛けるタイプの装身具のようです。しかしなんでサンゴって指定してるんだろ……もちろん、材質はこれに限ったものではないでしょう。

2.Artifact themes

…13/結晶による構造物、あるいは結晶で覆われているなど

ネックレスのようなものなら、鉱物の結晶で作られているのは自然でしょう。結晶質のものによって包まれたり、変質したりしているなどでも良いかもしれません。

A specific color

…2/淡色、灰白色、オパール、生成りなど

主要な色合いが決まることで、これが何なのか思い浮かべやすくなってきます。結晶質でオフホワイトの物質のネックレスなら、イメージしやすいのは真珠でしょうか。

The origins of the item

…11-7-6/Powerful Monster-Performed a blasphemous ritual to empower-As one of a series of such items/強力なモンスターが冒涜的な儀式によって力を与えたもので、同種のアイテムの中の一つ。

この結晶は様々なものに用いられているようです。そして、その特別な力は人ならざる者による悍ましい背徳の儀式によって齎されたものです。それがどのような力をもっているのか、次の表で決めていきましょう。

3.Artifact Powers & Features

…85/複製して増やせる

…79/使用者を繭に包んで安全に保護できる

風向きが変わってきた気がしますね……もう少し振ってみましょう。

…30/特定の状況になると光る

特別なアイテムらしさが備わってきたようです。ここで、このアイテムが何であるかについて綴っていきましょう。

このアイテムについて

「結晶蛾」と呼ばれる異界の昆虫がいます。異界と繋がる結晶の洞窟に多く棲息し、非常に攻撃的です。昆虫とは便宜上の呼び名であり、鉱物質の巨大な翅を耳障りな振動音を立てて震わせながら飛び回り結晶質の構造物を駆使して多彩な攻撃を仕掛けるこの巨大な魔物の群れは、柔らかな血肉を備える生き物に苦痛に満ちた惨たらしい死をもたらします。
結晶蛾は、産卵の時期になると特に狂暴になります。産卵期の結晶蛾に襲撃された被害者は、四肢にその蛾が吐き出す鉱物質の極細の糸を巻き付けられ、切り落とされます。出血を最小限に抑えたこの処置は、もちろん犠牲者のみじめな生を長引かせ、血肉が腐るのを遅れさせるためです。
産卵期の結晶蛾たちは、自身が分泌するケイ素構造物で「産屋」と呼ばれるコロニーを作ります。身軽になった犠牲者たちはここに運び込まれ、産卵を控えた結晶蛾たちの栄養源としてゆっくりと時間をかけて消費されていきます。
こうして生み出されるのが、「結晶蛾の繭」です。堅牢で上質な結晶の糸を巻き固めたような形ですが、糸が非常に細くまたしっかりと固められているため、一見すると滑らかな宝玉のようです。オフホワイトの中にも微細な遊色を含んでいて、かすかな光にも美しく複雑にきらめきます。結晶蛾の繭は結晶蛾が紡ぎだす結晶質の糸で作られ、そしてその糸で繋げられています。一匹の蛾が一度に作り出す繭は20個ほどで、最初の繭と最後の繭を繋げる習性があるため、結晶蛾の「産屋」を覗くとまるで美しい宝玉で作られたネックレスが無造作に置かれているように見えるでしょう。

この「結晶蛾の繭のネックレス」を冒険者が持ち帰ることはままあります。たいていの鑑定士の目には、それはとても珍しく価値の高い宝玉を連ねた装身具にしか見えないため、高い値段が付きます。
冒険者の戦利品として売却された「結晶蛾の繭のネックレス」が市販され、市民の装いを飾ることで、厄介な事態が引き起こされます。繭の中の結晶蛾の幼虫は刻一刻と羽化に近づいています。一度羽化してしまえば一般市民が手に負えるような存在ではありません。
繭の中の幼虫は羽化が近づくにつれてわずかな振動を起こし、ほのかに輝きます。その輝きは繭を通して確認できます。それはとても美しく、不思議な(そして無害な)魔法のアクセサリーとしてさらに人気を集めることもあります。
その堅牢で硬質なはずの繭が破られ、羽化した結晶蛾は、まずは成長のための栄養を得るためそばにいる哀れな犠牲者を標的にします。糸で繋げられた繭は羽化の時期が非常に精確に揃っているようで、ほぼ一瞬にして二十匹前後の結晶蛾の群れが出現します。結晶蛾の群れは着用者を結晶の糸で捕獲し、細切れに切り落としてあっという間に貪り食ってしまいます。

この「結晶蛾の繭のネックレス」が都市に持ち込まれれば、無残な失踪事件が相次いだ後、ほどなくしてあちこちに同じようなネックレスが落ちているのをみることになるでしょう。あるいは、町のどこかに奇妙なキラキラした器がいきなり現れ、その中に置かれている高そうなネックレスを見つけた誰かがそれを持ち出すことになるでしょう。

冒険者たちは、舞踏会で起きた失踪事件について依頼を受けます。貴婦人がいたバルコニーにはおびただしい量の血だまりだけが残り、悲鳴を聞いた者もいるようです。しかし、死体は見つかっていません。
調査を進めていけば、同様の失踪事件が相次いでいるのがわかるでしょう。ネックレスを販売した宝石屋は、もちろんすでに結晶蛾の栄養になってしまっています。異界の洞窟からネックレスを持ち帰った冒険者たちを探し出すことができれば、結晶蛾についての情報も手に入ります。
結晶蛾の繭を安全に破棄するのはかなり難しいです。熱にも酸にも強い幼虫は、繭を破ると不完全な形で這い出してきます。一番無難なのは、ネックレスを異界の洞窟の奥深くに戻すことでしょうか。

「結晶蛾の繭のネックレス」は、血なまぐさく厄介な事件を引き起こす物品です。しかし、有効に活用することもできるかもしれません。
たとえば、頑丈な糸を必要としている技術者にこの繭から採れる糸を渡すことを思いつけば、特別なアイテムの開発に貢献できるかもしれません。単純に異界の魔物を研究している学者に持っていけば、大喜びで高値をつけるでしょう。
あるいは、敵国の都市に大量に売りつけるのは……この悪だくみは手痛いしっぺ返しを食らうことになるかもしれませんが、選択肢の一つです。

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