Against the wind 骨の魔女ラニ3

プレイログ

Against the Wind 目次

キャラクター作成&世界作成 https://soloj.hodo49.com/archives/2572
骨の魔女ラニ 1 https://soloj.hodo49.com/archives/2591
骨の魔女ラニ 2 https://soloj.hodo49.com/archives/2600
骨の魔女ラニ 3 https://soloj.hodo49.com/archives/2834

物語の続き

亡霊の語り-1

遺跡の亡霊モラクス帝と対峙したラニは、「隕鉄の短刀」をラニに鍛えさせたモラクス帝の意図を聞き出すことになりました。ラニはゆっくりと呼吸を整え、意気を揚げ、気高き暴君との対峙を続けます。

現在のラニのリソースはこのようになっています。

VIGOR 4
RESOLVE 1
ESSENCE 0
TALENT 6
GEAR 6
FACTOR 4

ちなみに長く間をおいて忘れていたので再掲しておきますが、各リソースはこのような意味を持っています。

VIGOR(活力): 体力、スタミナ、筋力、敏捷性、スピードなど
RESOLVE(決意): 集中力、意志力、精神力、スピリットなど
ESSENCE(エッセンス): 魔法、スピリチュアリティ、共感、感性など
TALENT(才能): スキル、専門知識、生まれつきの才能、経験など
GEAR(装備): 武器、防具、ガジェット、所持品、補給品など
FACTOR(要因): 周囲の環境、モメンタム、利用可能な情報、幸運など

リソース回復の表を参照します。

Recovering Resources…7

Recover 2d6 Resources…8

8点をリソースに振り分けることができます。この時作成時の数値を越えて割り振ることができますが、6を超えることはありません。

VIGOR 4
RESOLVE 3
ESSENCE 4
TALENT 6
GEAR 6
FACTOR 6

このように割り振ることになりました。

Ask the GM…モラクス帝はなぜラニを選び、「隕鉄の小刀」を作らせたのか?

Game Machine…WeakとStrongの丁度真ん中、非常に極端なStilliness、強いGrowth

Against the Windのオープンクエスチョンは、WeakとStrong、StillinessとMotionのような対義語を選び出し、その間のどこに位置するかを2d6で振って導き出すという形式を取っています。今回はWeak・Strong間の位置を決める時に「7」が出たので丁度中間、Stilliness・Motion間の位置で「2」が出たので非常に極端なStilliness、Decay・Growth間の位置で「10」が出たので強いGrowthになります。

モラクス帝は重々しく語ります。

「そなたを選んだのは、そなたが伸び盛る若木であるからだ。厳しき旅に十分な力を備えているとは言えぬが、旅の中で学び、その隕鉄の小刀と共に成長していけば、それを使いこなす器となる。そして、旅に耐えるだけの力は持っている」

「……すごく、よく見てくださってるのは嬉しいですけど」

ラニは首をかしげます。

「それほどの苦難が待ち受けているなら、もっと多くの人に呼び掛けるわけにはいかないんですか?」

「〈隕鉄の短刀〉は、心を喰う」

モラクス帝は当然のように告げました。ラニはぎょっとして、自分の腰に挿した小刀から手を放します。気味が悪そうにその柄を見るラニに構わず、モラクス帝は淡々と告げました。

「牙を剥き、食らいついてくるということではないが……その刃が持つ輝きに魅入られ、狂う者はいる。確かな、静かなる心を持つ者でなければならなかった」

「私が、そうだと?」

「光栄に思え」

ラニは少し考え込んで、〈隕鉄の短刀〉を引き抜きました。黒い刃が深い煌めきを宿し、吸い込まれるような錯覚を与えます。しかし、それが人の心を引きずり込むほど絶対的で恐ろしいものには、ラニには見えませんでした。

それは無論、この小刀を鍛えたのが自分であることが一番の理由であるように思えましたが――

「この〈隕鉄の短刀〉で、〈星を墜とす魔〉を倒す……帝が私に期待しているのは、そういうことでいいんですよね」

「〈星を墜とす魔〉はかつてわれらの帝国を滅ぼし、長き眠りについた。そしていま、再び目覚めつつある」

「それは、どこで?」

モラクス帝は黙って答えません。この遺跡で眠っていたモラクス帝がそれ以上の情報を持っているはずもないのは当然のこと。自分で探せということでしょう。ラニは黙って肩をすくめました。
すでに十分な休養を取り、霊的な存在であるモラクス帝と接触したせいか幸運や直感がより研ぎ澄まされてきたような気がします。ラニは大げさにお辞儀をして、モラクス帝の前を下がります。

「私は御前を下がり、旅を続けます」

「我らのために戦い、行き抜け。下僕の娘よ」

「下僕じゃないですってば」

ふくれた顔でラニは言い、暗い遺跡を抜けるべく歩き出しました。

Against the Windにはダンジョン探索のかなり詳細なルールがあるんですが、今回は問題なく地上に戻れたということにします。ダンジョンはまた次の機会に挑戦しましょう。

日没-1

Ask the GM…ラニは日没までに人里に辿り着くだろうか?

Game Machine…12/非常に強いYes

遺跡から出たラニを、見知らぬ人が待ち受けていました。その人はラニが罠にかかり、亡霊に連れ去られた光景を目撃し、ラニを助けようとして遺跡の中を探していたようです。この人物に連れられて人里へ着くことになるでしょう。

ラニを助ける人物について、作成してみましょう。

Person Encounter…6/地元の狩人

name…2-7/アラン

Revealed Aspect…8/魅惑的な外見・振る舞い

Concealed Aspect…6/アーティファクトを秘匿している

Goal…自分の一族に隠された秘密を知りたい

弓を携えた少年が、ラニに駆け寄ってきます。

「あんた、無事だったのか!?」

「え、ええ……? あなた、誰?」

困惑気味に聞き返すラニへ、アランと名乗る少年は全てを話します。鹿を捕りにこの遺跡をたびたび訪れること。ラニがこの遺跡に残る魔力爆発の罠に巻き込まれ、陥没穴から遺跡内部へ落ちて行くところを目撃したこと。陥没穴から縄はしごを降ろしたが反応がなく、ランプで底を照らしてもラニの姿はなかったこと。心配でつい遺跡の中を探し続けていたこと。
ラニは、モラクス帝の聖廟から出た時のことを思いだします。戸を開くとすぐに外の光が射しこみ、短い通路を抜けると外に出られました。どうやらモラクス帝は壁をすり抜けて、ラニの体を好き勝手に運んでいたようです。

「ただの通りすがりの私を、そんなに心配して探してくれたなんて」

「目の前であんなことが起きたんだし、さすがに気にするよ」

アランは気恥ずかしげにむすっとした顔をして答え、不意に吹き込む寒風に毛皮のマントを掻き寄せて体を縮めます。

「とにかく、あんたがどんなつもりで旅をしてるかは知らないけど、こんなところで野宿なんかできっこないよ。明日になったらカチコチに凍り付いちまう。村に戻るから、ついてこいよ」

「その……すごく助かるし、嬉しいわ。ありがとう」

やっぱり彼は底抜けのお人好しに見えます。ラニは心配そうに彼の顔を覗き込みますが、彼は思い切り顔を反らして視線から逃れ、ますますむすっとした顔でずかずかと歩き出してしまいました。

日没-2

アランがラニを連れていった集落は、どのような場所でしょう?

Location…7/歴史ある古い木々の間に隠れている

Architecture…7/石造りの建物、蔦を這わせた格子垣

Mood….4/過去からの囁きが空気の中に反響する

Smells & Sounds…12/心にしみる音楽

集落の名前はクルクトゥーア。夕闇の落ちる集落の大通りに、一人の演奏者が座りこみ、カンテレをかき鳴らしています。寒風の中で音楽の一つ一つが舞うように荒れて響き渡り、得も言われぬ味わいを醸し出していました。

古く深い森林に隠れるように広がっている集落には、古い時代のひそやかな囁きが残響しているかのようです。建物の一つ一つがはっとするほど歴史のある石造りで、どうやら遺跡の建物を再利用して暮らしているのだろうと推測できます。

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アランはその遺跡の一角にラニを連れていきました。半壊した屋根が木の板で補強されています。長屋のように使っていますが、アランの家は決して広いものではなく、おそらくは古代の大きな、見事な建物のただの一室だったのでしょう。

「山を下りただけで、こんなに違う景色があるなんて」

ラニは驚いていました。クルクトゥーアの風景は、ラニの故郷とは似ても似つかないものだったからです。ラニの集落では、石造りの建物など酋長の蔵くらいのものでした。

「あんた、山の上で暮らしてたんだな」

寝袋を石の床に敷きながら、アランはラニをじっと見つめます。

「助けた恩を着せるつもりはないが、あんたにちょっと興味がある。話を聞かせてくれないか?」

「話って……何を聞きたいの?」

ラニが聞き返したその時、アランの家の扉が開き、背の高い女がため息をつきながら入ってきました。化粧っ気はありませんが、きりりと厳しい目元に何とも言えない色香の漂う、大人の女性です。瞳の色や髪の色は、アランに特によく似ていました。

「はあ、今日も良く働いたよ。なんだいアラン、女の子連れてくるなんて珍しい」

「遺跡で遭難してたんだよ、だから助けてきた」

「はあ」

女は無遠慮にラニをまじまじと見ながら、上着を脱いで部屋着のガウンを羽織ります。

「あんた、行き倒れてたの?」

「ち、違います! 助けてもらったのは本当だけど……」

「ふうん」

女は鏡も見ずに髪を結い直し、狭い家の小さなキッチンへ入っていきました。

「晩飯できるから、しばらく待ってな」

「あ、ありがとうございます」

慌てて礼を言うラニを、アランは苦笑交じりに眺めていました。

「あれ、うちの姉ちゃん。ぶっきらぼうだけど、意地悪じゃないからさ」

どうやらそのようです。火が爆ぜる音と共に良い香りが漂い始めました。ラニは荷物を抱えて座りなおし、あらためてアランの質問に答えることにしました。

次回からはアランが抱えている事情、そしてそれとラニとの関わりについて作り出していくことになるでしょう。

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